東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー25階 tel 03-3580-5001 理事長 渡邉基樹 院長 鈴木努
その8 アルコールによる体調不良について 05/12/2019
その4 熱疲労heat exhaustion について 08/08/2019
疲れない体づくりのため、気が付いた時に体を伸ばしましょう 病気の原因は最終的に血液循環が悪くなることです。体を動かさないと、体中の筋肉が縮んで身体中の関節が固まってしまいます。そして乳酸や細胞周囲のカリウムといった疲労物質が蓄積して筋肉が働きにくい状態になります。
疲労回復には体を伸ばしたり縮めたりする体操が有効です。
体の伸ばし方1 前後屈
@バンザイして両手ピンと上に伸ばして後屈(体を後ろにそらすこと)します。
A十分に伸ばしたら腕の力を抜いて、息を吐きながらお腹を膝につけるようなイメージで前屈します。
B膝は曲げないでピンと伸ばします。なるべく手が地面につくように胸を膝に近づけます。
C膝の後ろのスジ(ハムストリング)が伸びて、痛気持ちいい感じを10秒間維持します。
Dこの時、脳からエンドルフィンという麻薬様ホルモンが放出され心地よく感じます。
ハムストリングの柔軟性がない方は、夜足がつったり、運動後の腰や肩の痛みを起こしやすいと言われています。オフィスでも自宅でも気づいた時にやってみましょう。とてもスッキリしますよ。
以上です。
クーラーを使用する季節の長引く咳
梅雨入り間近で、蒸し暑い毎日が続いています。 ご家庭でクーラーを付ける時期になると、毎年咳が出て長引く方がいらっしゃます。 過敏性肺臓炎といってホコリやカビに対するアレルギーが原因で、気管支炎を起こします。
咳止めは根本治療ではありません。
咳が出たら咳止めをと思う方が多いと思いますが、咳止めはコデインなど脳の働きを鈍くすることで、咳反射を抑えるもので、眠気、便秘などの副作用があります。 咳反射とは、気管支にホコリや食べ物などが入ったときに外へ排出するための反射です。気管支に炎症があると粘膜の表面が敏感になりますので、咳反射が強くなります。
長引く咳には吸入薬を使いましょう。
吸入薬は喘息患者が一生使う薬ですが、咳が長引いているときは10日間ほど使用します。成分はステロイドですが、10日ぐらいの使用ではほとんど副作用はありません。
頑固な咳でお困りの方はぜひご相談ください。長引く咳は体力を消耗します。
以上です。
夏と冬は胃腸炎のウイルスが流行りますので、食欲がなくなったり、お腹を壊す人が多くなってきます。原因のウイルスは何千種類もありますので、色々な場面で暴露されてしまいますので、予防は手洗い、うがい、そして免疫力を高めることです。
免疫力を高める生活習慣 睡眠
まとまった睡眠が取れない方は、昼に15分でもいいので仮眠をとりましょう。
免疫力を高める生活習慣 食事
発酵食品(納豆、ぬか漬け、味噌など)を取るようにしましょう。ただし、お酒は控えめに。
免疫力を高める食生活 運動
汗をかくような運動を毎日5分でいいので行いましょう。オススメはエア縄跳び(縄を持たないでその場跳び)3分、腿上げ30秒。私も毎日やってます。
免疫力を高める食生活 脱力
目を閉じて、全身の力を抜きます。ゆっくり息を吐いてお腹を凹ませます。温泉に浸かっている感覚で。
もし、かかってしまったら?
@お腹を温めて(腹巻、掌で)、暖かい水分をこまめにとります。
A吐き気がある時は固形物は控えましょう(お粥、うどんはよく噛まないでお腹に入れると消化が悪い?食べる時はよく噛んで唾液を混ぜてからお腹に入れる)。
B便意を感じてもすぐにトイレに行かない。お腹を温めて脱力してやり過ごすように。2?3分我慢するとやり過ごせます。腸での水分吸収が促進され、早く治ります。
病院はいつ行く?
病院では原則的には乳酸菌製剤(ビオフェルミンなど)を出すだけです。 高熱が2日続いたり、気持ち悪くて水分も取れない時は点滴することもあります。 食中毒を疑う時は抗菌薬を処方します。 海外出張後は特にお気をつけください(旅行下痢症)。
以上です。
毎日朝から30度を超える毎日です。通勤だけでヘトヘトになってしまいますね。天気予報などで「熱中症heat stroke に注意しましょう」という注意がされていますが、熱中症とは、意識障害、筋攣縮などをきたし生命の危険を伴う重篤な状態です。高温下に見られる生体の変化(熱疲労)を早期に解消することが重要です。
熱疲労の症状
頭痛
高温下では身体中の血管が熱を放散するために広がります。脳内の血管も広がって頭蓋内の圧力が高くなりますので、首筋やこめかみを冷やしましょう。
めまい
脱水と血管拡張によって血圧が下がります。脳への血流が低下しますので横になって足を少し高くして、脳への血流を増やしましょう。
鼻血
血管が広がるので鼻の粘膜から出血しやすくなります。特にアレルギー鼻炎の方は出やすいです。首の後ろを冷やして、「考える人」のポーズで鼻翼の少し上をつまみます。
胃もたれ、吐き気、下痢
冷たい飲み物を飲むと胃腸の血管が収縮して、胃腸の動きが悪くなります。夏でも理想的な飲み物は白湯です。また、食事の直前や直後に大量の水を飲むと、胃酸が薄まり消化に時間がかかります。ちょこちょこ水を飲むよりは食事の1時間前に500mlぐらいまとめて飲みましょう。寝起きにもそのくらい一気に飲みます。
その他
じんましん、足のつり、口唇ヘルペス、帯状疱疹などは夏に多く見られます。
熱疲労予防
@十分な睡眠
A水分は常温で摂取する。
B味噌汁を毎日飲む。塩分補給が大切です。
C飲酒を控える。アルコールの利尿作用で脱水になります。
D満腹にしない。消化に使うエネルギーは体力を消耗させます。
Eオフィスでこまめにストレッチをする。伸びをするだけでもいいですよ。
病院はいつ行く?
気持ち悪くて水も飲めないような時は、水分の点滴をします。 当院ではマッサージチェアで点滴しますので、気持ちいいですよ。
以上です
ショートナップの勧め?
皆さんは毎日昼寝をしていますか?オフィスで昼なんてとんでもない、そん場所もないし、時間もない、という方がほとんどだと思います。そんな皆さんに今日はshort nap (短時間の居眠り)をお勧めします。昼寝が脳の疲労を回復させるという多くの報告があります。
NASA nap
アメリカ航空宇宙局NASAでは、宇宙飛行士に40分の昼寝を義務づけているそうです。疲労回復、記憶力、認知能力の向上が証明されています。
power nap
コーネル大学心理学教授のJames Maasは、15?20分の昼寝が睡眠負債を補うために最も適した時間と研究報告しています。眠るのは座ったままでも机に枕を載せて眠ってもいいそうです。
short nap
上の二つはグーグー眠る昼寝ですが、short napは1分以内眼を閉じるだけです。人間の脳は眼を閉じるだけで休まります。脳波では開眼時はβ波ですが、閉眼するとα波に変わり、振動数がすこし遅くなり、脳がリラックスします。
EMDR
そこで、体の力を抜いてゆっくり呼吸しながら眼を閉じてみます。できればスマホで30?60秒タイマーを設定してみてください。そしてここからが重要ですが、目を閉じたまま眼球を左右に何度も動かします。速度は1秒ずつ右、左、右、左と。これはEMDR (Eye movement desensitization and reprocessing: 眼球運動による脱感作と再構成)という精神的トラウマの治療に使われている方法です。
オフィスでも電車の中でも簡単にできますのでやってみてください。とても頭と心がすっきりしますよ。イライラしたり、不安があるときは特に有効です。私も精神科の治療で使っています。眼球筋が鍛えられて、目力もつきますよ。
以上です
成人のワクチンについて
今年のインフルエンザの流行は早くも始まっており、千代田区内の小学校では10人単位で発生しています。
A型は抗原性の大きな違いからこれまで16種類のHAと9種類のNAが報告されており、その組み合わせによってH1N1?H16N9までの亜型に分類されます(144種類)。B型は2種類の亜型があります。他にC型、D型も発見されていますが、前者は病原性が弱く、後者はウシにしか感染しないので、ワクチンの対象にはなりませんw。
今年のワクチンはA型2種類(H1N1,H3N2)、B型2種類の抗原が含まれています。当院では4000円(税込み)ですが、自由価格なのでもっと安いところもあると思います。ワクチンは感染を防ぐというよりは、感染後の症状を軽くするものであり、最近は体温が36度台のインフルエンザの方が多く見られます。
そのほか成人に必要な予防接種は、
麻疹(はしか)
水痘(水ぼうそう、帯状疱疹と共通)
風疹
ムンプス(おたふく)
65歳以上では、
肺炎球菌ワクチン(5年おき)
があります。
麻疹、水痘、風疹、ムンプス(メジャー4)は、子供の頃にかかった人でも2?30年すると抗体価が下がってきます。
特に麻疹(麻疹)と水痘(2回目は帯状疱疹として発症する)は成人後にかかると大変重症化する場合が多く、特に子供と接触する機会のある方は、4種類の抗体価を調べてみることをお勧めします。血液検査で1週間ぐらいでわかります。
もし抗体が少ない場合はすぐにワクチン接種が必要です。
現在麻疹と風疹は混合ワクチン(MRワクチン)になりましたので、どちらか一方の抗体がない方でも両方のワクチンを打ちます。4種類全部抗体がない方は3本のワクチンを同時に打ちます。
値段はホームページをご参照ください(。
注射はいくつになっても嫌なものですが、病気になれば4?5日は辛い思いをします。必要なワクチンは意志が必要と認めれば同時に接種できます。
以上です。
アレルギー性鼻炎、喘息(長引く咳) 秋は夏に繁殖したダニが死滅し、それがアレルゲンとなって花粉症のような症状が出やすいです。ブタクサ、イネ科(公園の雑草)など秋も花粉も増えます。鼻水、喉の痛み、咳などの風邪症状が長く続く時は、花粉症と同じ抗ヒスタミン薬が有効です。ステロイドの点鼻や吸入も有効です。 パブロンゴールドやベンザエースなど市販薬はエフェドリンやコデインという中枢神経刺激役が入っていますので、依存性があり(アスリートのドーピングではアウト)、薬が切れてくると体調が悪くなるため、恒常的に服用している人をたまに見かけます。 漢方の風邪薬で有名な麻黄湯、葛根湯にも魔王というエフェドリン様成分が入っていますが、天然物は合成エフェドリンと違って依存性が認められません。生薬の奥深さを感じます。 体を温めるなどと言って、アルコールを少し飲む人がいますが、アルコールははな、喉、気管支、胃の粘膜を腫らすので、白湯やコンソメスープを飲みましょう。 メンタル不調 夏の疲れ、天候不純、日照時間の減少及び朝晩の冷えなどで気分がすぐれない、やる気がしないなどメンタル不調が現れやすい時期です。 このような症状を予防するために、太陽の光をなるべく浴びる、短時間の運動、早起きする、部屋を片付ける、などして気分をスッキリさせるように心がけましょう。 仕事のことを考えてなかなか眠れない人は、NHKラジオ第一放送を聴きながら寝ると、知らないうちに眠ってしまいますよ。 以上です。
12月に入り、令和への改元が5月だったせいか、一層短く感じる1年でした。 連日忘年会とうい方も多いと思いますが、寒い季節の暴飲暴食はさまざまな体調不良の原因になります。 胃腸の不調(下痢、嘔吐、胃もたれ) かぜ(喉の痛み、鼻詰まり、頭痛) 疲労蓄積(体の痛み、頭の重さ、眠気、ふらつき) 不眠(夜間の口渇、頻尿、知覚過敏) 上記の症状はすべてアルコールが原因と言っても過言ではありません。 アルコールは体の水分不足を招き(口渇)、胃酸を増やし(胃もたれ)、粘膜を腫らし(鼻閉)、疲労物質(乳酸)や痛み物質(アセトアルデヒド)、神経過敏物質(グルタミン酸)を増やします。 コミュニケーションの潤滑作用があるアルコールですが、2018年の英国医学雑誌(LANCET)にあるメタ解析(多くの臨床研究を総括的に研究したもの)が掲載されました。 その内容をまとめると、 Even one drink a day could be shortening your life expectancy. (1日1杯でもアルコールを摂取する人は、全く飲まない人に比べて寿命が短くなる) という内容でした。「お酒の適量は1日1合まで」「適量のお酒は健康によい」などと言われてきましたが、お酒のみの言い訳に聞こえてきそうです。 あ酒を飲むと前頭葉(脳の前方)の働きが鈍り、理性から解放され気持ちよくなりますが、酔いから醒めると同時に交感神経が刺激され、脈は速く、血圧は高く、神経過敏となります。 また、1単位(日本酒1合、ビール500、ワイングラス2杯、ウイスキーダブル1杯)が分解されるまで、3ー4時間かかります。ですから、3単位以上飲むと翌朝までアルコールが残っています。最近都内で早朝の検問が行われているのは、朝の酒気帯びを取り締まっているのです。 忘年会の次の日に体調を崩さないためには、 @ 3単位以上飲まない(酔ってくるとお酒の味も分からなくなります) A お酒と同量の水を飲む B 無理に飲酒を勧めない(もう少し飲みたいぐらいで切り上げる) C 家で飲み直したり、締めラーメンをしない D 入浴し、軽くストレッチをする(血の巡りをよくして分解を早める) などが大切です。 しっかり自己管理をして、1年の計を健やかに締めくくりましょう。 以上です。
新年おめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。 お正月は十分からだを休められましたでしょうか。 昨年末、当クリニックでインフルエンザの方は週に1ー2人でしたが、 年が明けてからは毎日2?3人の患者が発生しています。 インフルエンザの分類 インフルエンザの分類はウイルスを構成するタンパク質の特徴(抗原性) より、A型、B型、C型に分類されますが、C型は幼児期に罹患 (一般の鼻風邪として)して終生免疫ができるので、一般にインフルエンザ といえばA型とB型を指します。A型はウイルスの表面にあるタンパク質 ヘマグルチニン(HA 16種類)とノイラミニダーゼ(NA 9種類)の組み合わ せで16×9で144種類存在します。 A型は、高熱を特徴とする香港型(H3N2)、咳で始まるソ連型(2009年の 新型 H1N1)、中国で流行した鳥インフルエンザ(H5N1)などが有名です。 B型は、多様性に乏しくビクトリア型、山形型の2種類に大きく分類され ます。この2つの型は、毎年変更されるワクチンに必ず含まれているので、 ワクチンを接種すれば全てのB型に対して効果があるといわれています。 ワクチンはいつ打つか インフルエンザワクチンは毎年前年度の流行を踏まえて検討され、 5月ごろに厚労省健康局により決定されます。今年は昨年同様、 A型2種類(香港型、ソ連型)、B型2種類(ビクトリア型、山形型)、 計4種類の抗原が含まれています。 ワクチンは感染を未然に防ぐことはできませんが、体内の免疫力を高めて インフルエンザの症状を軽くすることができます。ですから最近では、 36度台でもインフルエンザ検査陽性の場合があります。ワクチン接種後 2週間ぐらいで体内の免疫力が高まります。インフルエンザ発症のピーク は1?2月ですので、12月末までに受けていただくのが良いと思います。 高熱が出たらどうするか 診療所を受診していただくのはもちろんですが、発症12時間以内では 検査キットで疑陰性なることが多く、解熱剤をもらって帰宅していただ き、翌日熱があれば再度インフルエンザ検査をします。 インフルエンザの治療 タミフル(カプセル 5日間) 、リレンザ(吸入 5日間)、イナビル(吸入 1日)、 ゾフルーザ(錠剤 1日)があります。イナビル、ゾフルーザがよく使用され ます。どの薬も発症から48時間以降は服用してもしなくても経過に差が みられません。また、和漢の麻黄湯も免疫を高める機能があり有効です。 治ったかどうかの判定 特別な検査は必要なく、発熱した日から6日経過し症状がなければ、 7日目から出勤可能です。ただし、「咳が長引いている」「鼻水が続く」 など症状が長引いている時は、肺炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎の 合併などが考えられますので、再度医療機関を受診しましょう。 予防 十分な睡眠、栄養、適度の運動などといわれますが、20代までは免疫力が 不十分で、30代、40代は子供と接する機会が多く、非常にかかりやすい と思います。ワクチンを毎年打って症状を軽くさせること(感染は予防 できない)、うがい、手洗いなどよくいわれることでしょうか。 もしかかってしまった場合は、「疲れが溜まっているので休むように」と いう神様のご配慮と思って、ゆっくり体を休めましょう。 流行のピークは2月ですので、自己管理を怠らず厳しい季節を乗り越えましょう。 以上です。
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